作業療法士を辞めて異業種へ転職した理由
私は一度、作業療法士という職業を離れ、まったく異なる業界である金型の会社に転職しました。しかし、日々の業務の中で「この仕事は自分に合っていない」と感じることが増え、ついには退職を決意しました。
退職後は、自分に対して自信を持てずにいた時期でもありました。それでも「何かしていないと」と思い、バイトや派遣の仕事をしながら過ごしていました。収入アップを目指して登録販売者の資格に挑戦したり、働き方を安定させるために派遣に切り替えたりと、模索する日々が続きました。
しかし、どの仕事にも心からのやりがいを感じることができず、「自分は何をしたいのか」「何に向いているのか」と将来への不安が大きくなっていきました。
ブランク中に病院から作業療法士復帰の打診
そんなある日、以前勤めていた病院から連絡がありました。かつての上司や同僚から、「ぜひ戻ってきてほしい」という復帰の打診を受けたのです。
驚きと同時に、正直なところ戸惑いもありました。というのも、以前その病院を辞めた背景には人間関係のトラブルがあったからです。私が望んでいた退職日よりも前倒しで辞めさせられた形だったため、「本当に戻って大丈夫だろうか」という不安が拭えませんでした。
不安を抱えながらも作業療法士への復職を決意
ですが、病院側から「以前あなたが退職するきっかけになった人はもう来ていない」との説明がありました。また、看護科や他の部署からは今も私のことを信頼してくれていると聞き、自分の中でも気持ちに変化が生まれました。
ブランクの期間、自分と向き合う時間があったことで、過去の人間関係の問題に対しても、今ならより良い対応ができるのではないかという自信もついていました。
悩みに悩んだ末、もう一度作業療法士として働くことを決意しました。再びこの仕事を通じて誰かの役に立てるのであれば、きっと自分にとっても大きな意味があるはずだと思ったのです。
精神科作業療法士として再出発した日々
復帰先は精神科の病院。環境は決して楽ではなく、業務内容も繊細で難しい部分が多くあります。
それでも、「自分にはできないかもしれない」と思っていた仕事が、少しずつこなせるようになったとき、大きな達成感とやりがいを感じるようになりました。
患者さんからの「ありがとう」や、笑顔に触れるたびに、「戻ってきてよかった」と心から思えるようになりました。
現在は、以前よりも経験を積み、自分自身にも自信を持って働けるようになっています。メンタルヘルスの重要性を理解し、セルフケアにも取り組みながら、充実した日々を送っています。
【Q&A】よくある疑問にもお答えします
Q1. ブランクがあっても作業療法士に復帰できますか?
A. はい、可能です。
現場での経験や人柄が評価されるケースも多く、私自身も復帰のきっかけは「一緒にまた働きたい」という声からでした。まずは前職場や知人のつながりに相談してみるのも一つの手です。
Q2. 一度辞めた職場に戻るのは不安です。
A. 不安があるのは当然ですが、環境が変わっている場合もあります。
以前と同じ職場であっても、関わる人が変わっていれば職場の雰囲気がガラッと良くなることも。自分が成長していれば、過去とは違った対応ができるようになります。
Q3. 精神科の作業療法士のやりがいは?
A. 精神的に大変な場面もありますが、人との関わりの深さが魅力です。
患者さんの小さな変化を感じ取ること、信頼関係を築けることが大きなやりがいにつながります。
転職と復職の経験を通じて伝えたいこと
作業療法士としてのキャリアにブランクがあっても、それが決してマイナスになるとは限りません。むしろ、異業種を経験することで、自分自身の強みややりがいに気づくきっかけになることもあります。
私の体験が、今まさに悩んでいる方の参考や勇気になれば嬉しいです。
あなたの経験もぜひ聞かせてください
もしこの記事を読んで「自分も似たような状況だ」と感じた方がいれば、ぜひコメント欄であなたの経験も教えてください。
転職や再スタートは誰にとっても不安なもの。だからこそ、情報や経験を共有しあうことで、一歩踏み出す勇気につながるかもしれません。
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