マラソンを完走したい、次にタイムを伸ばしたい。でも「どんな練習をすればいいか分からない…」という人は多かったりします。
結論としてマラソン練習の基本は
①イージーラン(Eペース)
②ポイント練習(インターバル・閾値走など)
③LSD(ロング走)
この3つをバランスよく取り入れることになります。
特別なトレーニングよりも、まずはこの「ゆっくり・少しがんばる・長く走る」の3種類を習慣化することで、走力は確実に伸びていくでしょう。
今回は2種類の運動強度の紹介から始めていきます。
🔍 RPEと心拍ゾーンとは?
練習の強度を考えるとき、ペースだけではなく RPE と 心拍ゾーン を使うと初心者でも無理のない負荷で走れます。
■ RPE(主観的運動強度)
RPEは 「自分がどのくらいキツいと感じているか」 を10段階で表す指標です。
- RPE2〜3:楽に会話できる
- RPE4〜5:少し息が上がる
- RPE6〜7:息が弾む、ややキツい
- RPE7〜8:がんばれば継続できる強度(閾値走の目安)
- RPE9〜10:全力
時計がなくても自分の感覚で負荷を管理できるため、初心者にとても便利です。
■ 心拍ゾーン
心拍数を基準に運動強度を5段階に分けたものです。
- ゾーン1(非常に軽い):ウォームアップレベル
- ゾーン2(軽い):会話できるペース(Eペース走の中心)
- ゾーン3(やや負荷):持久的なペース
- ゾーン4(高負荷):乳酸が溜まり始める強度(閾値付近)
- ゾーン5(最大):ほぼ全力
心拍計があると、自分がどのくらいの負荷で走っているかが正確にわかります。
ちなみに自分の最大心拍数は「220-年齢」になります。
① イージーラン(Eペース走)
会話できるくらいの“楽なペース”が正解
Eペース走は、マラソン練習の土台となる最も大切なランです。
特徴
- 強度:RPE2〜3、心拍ゾーン2
- ペース:楽に呼吸できるスローペース
- 時間:30〜60分
- 頻度:週2〜3回
効果
- 心肺機能・持久力の基礎作り
- 疲労を残さず走る習慣づくり
- ケガの予防
まずはこの「気持ちよく走れる」ペースを中心にしましょう。
② ポイント練習(メイン練習)
週1回の負荷の高い練習で、走力が大きく伸びます。
“がんばる日”を作ることで身体は確実に強くなります。速く走ることに加えて大きなフォームで走ることも意識してみてください。
● インターバル走
短い距離を速く走り、休息を挟むトレーニングになります。
例:400m × 6〜10本(間はゆっくり歩くorジョグ)
強度
- 走行部分:RPE7〜9、心拍ゾーン4〜5
- 回復部分:RPE2〜3、ゾーン1〜2
効果
- スピードアップ
- 心肺の強化
- 動きのキレが出る
短時間で効率よく鍛えられるのがポイントです。
● 閾値走(テンポ走)
「ややキツいけど、20分なら継続できる強度」で走る練習です。
強度の目安
- RPE7〜8(息は弾むが限界ではない)
- 心拍ゾーン3〜4
- ペース:10kmレース前後
時間
- 15〜25分が基本
効果
- 乳酸が溜まりにくくなり“息が上がる手前”のスピードが伸びる
- フル後半の粘りが出る
- ペース維持の感覚が鍛えられる
フルマラソンのタイムを縮めたい人に最も効果の高いメニューの1つです。
● ビルドアップ走
走りながら徐々にペースアップしていく練習です。
例:
1〜3km:ゆっくり
4〜6km:少し速め
7〜9km:レースペース前後
強度
- RPE3→6→7
- 心拍ゾーン2→3→4
効果
- ケガをしにくい負荷の上げ方
- 後半の失速を防ぐ
- レース終盤の粘りが身につく
③ LSD(ロング・スロー・ディスタンス)
ゆっくり長く走り、身体を“長時間動かし続ける力”を育てる
LSDはフルマラソンの完走力を作るために欠かせません。
特徴
- ペース:超ゆっくり
- 強度:RPE2〜3、心拍ゾーン1〜2
- 時間:90〜150分
- 頻度:週1回
効果
- 脂肪を燃やす走りの習得
- 長時間動く筋持久力の強化
- メンタル的に「長さ」への慣れができる
距離よりも「ゆっくり・長く」が大切です。長い時間走ることが目的なので普段のEペース走よりゆっくり走ってみてください。
📅 1週間の基本メニュー例(初心者向け)
- 月:Eペース走(45分、RPE2〜3)
- 水:ポイント練習(閾値走20分 or インターバル)
- 土:LSD(90分、RPE2〜3)
- その他の日:休養 or 軽いジョグ
❓ Q&A:よくある質問
Q1. RPEと心拍どちらを参考にすればいい?
A. どちらでもOKですが、初心者はRPE(感覚)を優先すると安全です。
心拍計がある人は両方を合わせて判断しましょう。
Q2. 毎日走ったほうが強くなりますか?
A. 休むこともトレーニングです。週1〜2回は完全休養を心掛けてください。
Q3. LSDはどのくらい遅くても大丈夫?
A. キロ7〜8分でも問題なし。心拍ゾーン1〜2が目安です。
Q4. 閾値走がきつすぎる場合は?
A. RPE6程度で「少し速めのジョグ」にしてOK。無理しないことが継続のコツです。
Q5. ポイント練は毎週必要?
A. 初心者は 週1回で十分です。無理に増やすと疲労が蓄積しケガにつながります。
🏁 まとめ
マラソン練習の基礎は
「ゆっくり走る」「少し頑張る」「長く走る」
の3種類です。
RPEや心拍ゾーンを使うことで初心者でも自分に合った負荷で練習でき、オーバーワークを防ぎながら確実に走力が伸びます。
まずはEペース走を続けてポイント練習とLSDに挑戦してみてください。

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