AGEs(終末糖化産物)とは?
AGEs(Advanced Glycation End Products=終末糖化産物)とは、糖とタンパク質が結びつく糖化反応によって作られる物質です。この反応は、体内でも食べ物の調理中にも起こります。
メイラード反応とAGEsの関係
焼き色や香ばしい香りのもとになる「メイラード反応」は、糖とアミノ酸が加熱されて起こる現象です。このとき同時にAGEsも生成されます。特に120℃以上の加熱(揚げる・焼く・炒める)でAGEsが急増します。
体内でもAGEsは生成される
私たちの体の中でも、血糖値が高い状態が続くと糖と体内タンパク質が反応しAGEsが蓄積します。これが老化や生活習慣病の原因と考えられています。
AGEsが体に与える悪影響
AGEsは「体のサビ」とも呼ばれ、体内に蓄積することで様々な健康リスクを引き起こします。
● 肌の老化
AGEsは肌の弾力を保つコラーゲンを変性させ、シワやたるみの原因になります。
● 血管の老化
血管の柔軟性を損ない、動脈硬化の進行を促すことが知られています。
● 生活習慣病のリスク増加
AGEsはインスリンの働きを阻害し、糖尿病の悪化や発症リスクを高めます。
● 認知機能の低下
AGEsは脳内のタンパク質にダメージを与え、認知症(特にアルツハイマー型)との関連も研究されています。
● 骨の脆弱化
骨の強さを保つコラーゲンを変性させ、骨粗鬆症のリスクも高めます。
食品に含まれるAGEs
AGEsは体内で生成されるものと、食品から摂取されるものの2種類があります。とくに調理法によって食品中のAGEs量は大きく変わります。
高AGEs食品(避けたいもの)
- 揚げ物(フライドポテト・唐揚げ)
- 焼いた肉(特に赤身肉のグリル)
- 焼き菓子・スナック菓子
- ピザ・ラザニアなど高温焼き料理
中程度のAGEs食品
- 炒めた野菜
- 焼きパンやトースト
低AGEs食品(おすすめ)
- 生野菜や果物
- 蒸し料理(蒸し魚、温野菜)
- 茹でた雑穀や米
🔍 同じ鶏肉でも、グリル調理は蒸し調理の3〜4倍のAGEsを含むことがあります!
体内でAGEsが増える原因
以下の要因がAGEsの蓄積を加速させます。
- 高血糖状態(甘い物や精製炭水化物の過剰摂取)
- 酸化ストレス(喫煙・紫外線・加工食品など)
- 加齢
- 腎機能の低下(AGEsの排出力の低下)
特に、食後の急激な血糖値上昇が糖化反応を促進するため、血糖コントロールはAGEs対策に不可欠です。
AGEsを減らす食事と調理法のポイント
● 調理法の工夫でAGEsを抑える
- 蒸す・煮る・茹でるなどの低温・湿度の高い調理法を優先
- 肉は酢やレモンでマリネしてから調理するとAGEsの生成を抑制
- 調理時間を短くする(電子レンジで下茹でしてから焼くのも効果的)
● 食事の見直しで糖化を防ぐ
- 抗酸化食品を積極的に摂取
(例:緑黄色野菜、ベリー類、トマト、緑茶) - 血糖値を急激に上げない食べ方
→ 野菜やたんぱく質を先に食べる「ベジファースト」 - インターミッテント・ファスティング(断続的断食)を取り入れて体内のAGEs蓄積を減らす
よくある質問(FAQ)
Q1. AGEsは健康な人でも気にすべきですか?
はい。健康な人でも加齢とともにAGEsは蓄積されます。老化や慢性疾患の予防の観点からも、若いうちから意識することが大切です。
Q2. 加熱した野菜はすべてダメですか?
いいえ。炒めるよりも蒸す・茹でるなどの調理法を選べばAGEsの発生を抑えられます。高温×乾燥がAGEsを増やす最大の要因です。
Q3. AGEsは運動で減らせますか?
運動によって血糖値や酸化ストレスが改善されるため、間接的にAGEsの蓄積を抑える効果が期待できます。
Q4. 子どもや高齢者もAGEs対策は必要ですか?
はい。成長期の子どもや、免疫力・代謝が低下する高齢者こそAGEsに注意が必要です。日頃の食事の工夫が大切です。
まとめ:AGEsを知って、美味しく健康に!
AGEsは完全に避けることはできませんが、ちょっとした工夫と意識で摂取量や体内生成を減らすことが可能です。
- 「カリッとおいしい」より「低温でやさしく」
- 「野菜から食べる」を習慣に
- 「和定食」や「蒸し料理」でAGEsを抑える
あなたの体は、毎日の食事からできています。AGEs対策を意識して、若々しく健康な毎日を目指しましょう!
皆さんの考えや質問もぜひお聞かせください。一緒に楽しく健康的な生活を続けていきましょう!


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