マラソン大会の調整方法(テーパリング)完全ガイド

「マラソン大会に向けて調整するランナーのイメージ写真」 マラソン
マラソン大会に向けてコンディションを整える様子を表したイメージです。

レース本番で最高の走りを引き出すには、直前の「調整(テーパリング)」が欠かせません。

距離に応じて必要な疲労抜きの方法が変わるため、今回は フル/ハーフ/10km/5km/ウルトラの5種目ごとに最適な調整方法をまとめました。

それぞれの調整方法を参考にして、本番に疲れを残さない最高の体調で挑みましょう。


■ フルマラソン(42.195km)の調整方法(2〜3週間前〜当日)

① 3週間前:ピーク練習 → 徐々に量を減らす

  • 最後の30km走・ロング走をここまでに終える
  • 練習量:通常の 80〜90%

② 2週間前:疲労を抜く期間

  • 12〜20kmのEペース走に縮小(自分のレベルに合わせてまだ短めでもオッケー)
  • インターバルは短め(400〜800m×4〜6)
  • 練習量:通常の 60〜70%

③ 1週間前:調整メイン

  • 8〜12kmのジョグ
  • RP(レースペース)の刺激入れ(2〜3km or 1km×2)
  • 練習量:通常の 40〜50%

④ レース3日前〜前日

  • 5〜8kmジョグ+流し(80%ぐらいのダッシュを100mくらい)
  • 前日は 10〜30分の非常に軽いジョグ
  • 糖質多めの食事でカーボローディング

■ ハーフマラソン(21.0975km)の調整方法(1〜2週間前〜当日)

① 2週間前:練習量を徐々に落とす

  • 12〜18kmのペース走 → この週で終了
  • 練習量:通常の 70〜80%

② 1週間前:疲労抜き+刺激入れ

  • 5〜12kmのジョグ
  • ハーフRPで1〜2kmの刺激
  • 練習量:通常の 50〜60%

③ 2〜3日前〜前日

  • 5〜7kmの軽いジョグ
  • 前日は10~20分程度でOK
  • 炭水化物もしっかり補給

■ 10kmレースの調整方法(1週間前〜当日)

① 7〜5日前

  • 8〜10kmジョグ
  • 1000m×3〜4(レースペース付近)

② 3〜4日前:休養寄りに

  • 5〜7kmのジョグ
  • 流しを3〜4本

③ 前日

  • 20分ジョグまたは完全休養
  • 炭水化物は「少し増やす」程度でOK

■ 5kmレースの調整方法(3〜5日前〜当日)

① 4〜5日前

  • 短いスピード刺激(400m×4〜6)
  • ジョグで流して疲労をためない

② 2〜3日前

  • 5kmジョグ
  • 流しを2〜3本

③ 前日

  • 完全休養 or 15分ジョグ
  • 軽く筋肉を動かす程度でOK

■ 100kmなど「ウルトラマラソン」の調整方法(3〜4週間前〜当日)

ウルトラは疲労の残りやすさが別格のため、調整期間は長め。

① 4週間前:最後のロング走

  • 50〜60km走、または6〜8時間走をここまでに終了
  • 練習量:通常の 70〜80%

② 3〜2週間前

  • 練習量を大きく落とす
  • 20〜30km走を軽めに
  • 山コースの場合は登り下りの刺激を少量残す
  • 練習量:通常の 50〜60%

③ 1週間前

  • 8〜12kmジョグ中心
  • レースペースの刺激は軽め(2〜3km)
  • 練習量: 30〜40%

④ 3日前〜前日

  • 30〜40分ジョグ
  • 前日は完全休養でもOK
  • 水分・電解質・炭水化物の補給を増やす
  • 装備チェック・補給計画の最終確認

【まとめ】調整がうまくいけば、レースはもっと楽しくなる

調整期間は“走らない焦り”が出やすいですが、その時にやっていることはすべて本番で最高の走りをするための準備です。
距離ごとのポイントを押さえて、疲労を残さないようにして気持ちよく身体を整えていきましょう。

最後の一週間でできることはシンプルです。
「よく寝て、よく食べて、ちょっとだけ走る」
これであなたの調子はしっかり整います。

当日は、ここまで積み上げてきた努力が必ず後押ししてくれます。
自分を信じて、最高のスタートラインに立ちましょう!

距離別まとめ表

レース距離調整開始主な内容刺激走前日
フル約3週間前練習量を徐々に減らすRPで2〜3km20〜30分ジョグ
ハーフ約2週間前ロング走を減らすRPで1〜2km20分ジョグ
10km約1週間前ジョグ中心1000m×2〜320分ジョグor休養
5km3〜5日前軽いスピード刺激流し中心休養or15分ジョグ
ウルトラ約4週間前長めの調整期間2〜3km完全休養可

よくあるQ&A

Q1. 調整中に全く走らないとどうなりますか?

→ 筋肉が休みすぎて動きが重くなります。
完全休養だけでなく、20〜40分のジョグを挟む方ことで調子が上がりやすいからです。


Q2. 調整期間に体重が増えるのが不安です。

→ 多少増えても問題ありません。
むしろ カーボローディングで+1〜2kgは正常 です。


Q3. 調整中に風邪を引きやすいのですが?

→ 免疫が落ちやすい時期なので、

  • 睡眠優先
  • 湿度管理
  • 冷え対策
  • 人混みを避ける
    を心がけてください。

Q4. 調整でもスピード練習は必要ですか?

必要です(量は少なく)
スピードの刺激がゼロだとレース当日に身体が動きにくくなってしまいます。


Q5. ウルトラはどのくらい休むべき?

→ 3日前から「ほぼ休養」でOK。
前日は完全休養でもパフォーマンスが落ちません。スタートの時間が他の距離に比べて早い場合もあるので、いつもより早い時間の就寝が望ましいです。

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