「マラソンの練習を始めたいけど、何をすればいいのかわからない」「ただ走っているだけでは記録が伸びない」——そんな悩みを持つランナーは多いのではないでしょうか。
実は、マラソン練習の基本は大きく分けてたった3つ。「イージーラン」「ポイント練習(インターバル・閾値走)」「LSD(ロング・スロー・ディスタンス)」です。
この記事では、それぞれの練習の目的・強度の目安・具体的なやり方を初心者にもわかりやすく解説します。「RPE(主観的運動強度)」や「心拍ゾーン」の使い方も紹介するので、自分に合ったペースで練習を組み立てられるようになります。
マラソン練習の3つの柱
👟 1. イージーラン(Eペース)
イージーランは一般的なイメージとして出てくるランニングで、会話ができるくらいのラクなペースで走る練習です。全練習の60~70%を占める土台となるメニューで、有酸素能力の向上・脂肪燃焼促進・ケガからの回復といった多くの効果があります。
【ポイント】
- 強度の目安:RPE 3~4(会話が続けられるくらい)
- 心拍ゾーン:最大心拍数の60~75%
- 時間の目安:30~60分(初心者は短めから)
- 「遅すぎるかな」と感じるくらいがちょうどよいペース
🔥 2. ポイント練習(インターバル・閾値走)
ポイント練習は、イージーランより高い強度で行う「質」のトレーニングです。代表的なメニューは「インターバル走」と「閾値走(テンポ走)」の2つ。心肺機能や乳酸性作業閾値を引き上げる効果があり、週に1~2回組み込むのが理想です。
【ポイント】
- インターバル走:速い走りとジョグを交互に繰り返す(例:1km×5本、レスト90秒)
- 閾値走:「きついが続けられる」ペースで一定時間走る(例:20~30分)
- 強度の目安:RPE 6~8(インターバルはやや高め、閾値走は中程度)
- 心拍ゾーン:最大心拍数の80~90%
- 無理は禁物、「あともう1本いける」と感じる余裕を残す
🚶 3. LSD(ロング・スロー・ディスタンス)
LSDは、イージーランと同じかそれよりもゆっくりなペースで、長い時間をかけて走る練習です。持久力の土台作りに最適で、足づくり・エネルギー効率の改善にも役立ちます。週末など時間のとれる日に取り組みましょう。
【ポイント】
- 強度の目安:RPE 3~4(イージーランと同等かやや遅め)
- 心拍ゾーン:最大心拍数の60~75%
- 時間の目安:60~120分(初心者は60分から)
- 「時間」を優先し、ペースが落ちても歩かずに走り続けることが大切
RPEと心拍ゾーンで強度を管理しよう
練習効果を最大化するためには、強度の管理が欠かせません。おすすめの方法は2つあります。
RPE(主観的運動強度)は、1~10のスケールで「自分がどのくらいきついと感じているか」を数値化する方法です。心拍数計がなくてもすぐに使えるので、初心者にもおすすめです。
心拍ゾーンは、最大心拍数に対する割合で強度を管理する方法です。最大心拍数の簡易計算式は「220-年齢」。ウォッチ型の心拍数計を活用すると、より正確に管理できます。
初心者向け 1週間の練習メニュー例
以下は、週に3~4回走る場合の一例です。体調やスケジュールに合わせて柔軟に調整してください。
| 曜日 | メニュー | 強度目安 |
| 月曜日 | イージーラン 30~40分 | RPE 3~4 |
| 火曜日 | 完全休養またはクロストレーニング | - |
| 水曜日 | ポイント練習(閾値走 or インターバル) | RPE 6~8 |
| 木曜日 | 完全休養 | - |
| 金曜日 | イージーラン 30~40分 | RPE 3~4 |
| 土曜日 | LSD 60~120分 | RPE 3~4 |
| 日曜日 | 完全休養または軽いジョグ | RPE 2~3 |
始める前に知っておきたい注意点
【注意点1】イージーランの割合を大切にする
練習全体の60~70%はイージーランにあてましょう。ポイント練習ばかりだと筋肉や関節に負担がかかり、ケガの原因になります。
【注意点2】体調が悪い日は無理しない
睡眠不足や疲労がたまっている日は、ポイント練習をイージーランに切り替えるか、思い切って休養しましょう。休むことも練習の一部です。
【注意点3】シューズは自分の足に合ったものを選ぶ
ランニングシューズはケガ防止の基本です。できればランニング専門店で足型を測定してもらい、自分に合った一足を見つけましょう。
【注意点4】水分補給はこまめに
特に夏場はLSDの際に脱水症状になりやすいため、走る前・中・後に意識的に水分をとりましょう。
よくある質問(Q&A)
Q: 初心者は週に何回走ればいいですか?
A: まずは週に3回から始めましょう。そのうち2回をイージーラン、残り1回をポイント練習またはLSDにあてるのがおすすめです。体が慣れてきたら週4~5回に増やしていきましょう。
Q: イージーランのペースはどうやって決めればいいですか?
A: 会話ができる程度の速さ(RPE 3~4)が目安です。心拍数では最大心拍数の60~75%に収まるゾーンを意識しましょう。「ちょっと遅いかな」と感じるくらいがちょうど良いペースです。
Q: ポイント練習は毎回全力で走るべきですか?
A: いいえ、全力で走る必要はありません。閾値走はRPE 6~7(きついが続けられる程度)、インターバルはRPE 7~8が適切です。「あともう1本できそう」と感じる余裕を残すのがケガ防止のコツです。
Q: LSDはどのくらいの時間を走ればいいですか?
A: 初心者は60~90分を目安に始めましょう。慣れてきたら2時間前後まで延ばしていくのが理想です。ペースはイージーランと同じかやや遅いくらいで、「時間」を優先して走ることが大切です。
Q: 心拍数計がなくても練習強度を管理できますか?
A: はい、RPE(主観的運動強度)を使えば心拍数計なしでも管理できます。1~10のスケールで自分のきつさを評価し、それを基準にペースを調整しましょう。ただし、より正確に管理したい場合は心拍数計の導入がおすすめです。
Q: イージーランだけでもマラソンを完走できますか?
A: 完走だけが目標であれば、イージーラン中心の練習でも十分可能です。ただし、タイムを縮めたい場合はポイント練習やLSDを組み合わせることで、より効率よく走力を向上させることができます。
まとめ
マラソン練習の基本は「イージーラン」「ポイント練習」「LSD」の3つです。この3つをバランスよく組み合わせることで、初心者でも着実に走力を伸ばすことができます。
まずは週に3回、イージーランを中心に走ることから始めてみましょう。体が慣れてきたら、ポイント練習やLSDを少しずつ加えていくことで、自然と走力は伸びていきます。
各練習の詳しい解説は、シリーズの他の記事でも紹介していますので、ぜひそちらも参考にしてください。
※本記事で紹介する練習メニューは一般的な情報提供を目的としています。個人差があるため、すべての方に同じ効果が保証されるものではありません。


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